

今回は、ストラスブール大学で私が2019-2020年度でM1を修了した、
Master Plurilinguisme et interculturalitéについてお話ししたいと思います。
具体的なプログラムの内容
この修士課程の内容は多文化多文化研究、特に授業ではヨーロッパ圏の多文化多言語研究をメインに勉強します。
少し前まで”Master Plurilinguisme européen et interculturalité”という名前だったので、教師陣の専門がヨーロッパ研究なのは変わっていません。でも、卒業論文はヨーロッパ研究以外のテーマでも全然かまわないようです。
2019-2020年度のこのプログラムのM1授業内容は、大きく分けて5つ。↓
Langues et cultures:ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語(FLE)、ヨーロッパのマイナー言語(ポーランド語、ノルウェー語、スウェーデン語など)のなかからLangue A(第一言語)とLangue B (第二言語)を選択します。私は英語とFLEを選択しました。Langue A, BともにCEFRのC1レベル以上でないといけません。
Contacts de langues et politiques linguistiques(言語接触と言語政策):。主に社会言語学における言語接触について、また言語接触に伴って国や公的機関が行う言語政策について学びます。テストは3時間の筆記テスト。
Contacts et transferts interculturels:文化接触。異文化コミュニケーションや宗教、先住民族など教師によって授業内容はさまざまで、4,5人の先生が1学期間3回ずつくらい授業をします。テストはくじ引きで当たった先生の課題のみをこなします。1学期は3時間の筆記テスト、2学期は課題の提出。
Recherche et nouvelles technologies:研究の方法論について学びます。また、wordやPowerPointの有効活用の方法を学びます。(Nouvelles technologiesですが、プログラミング言語などは学びません・・・)
Choix libre:自分の好きな科目を選べます。多くの人は言語科目を選んでいました。私もドイツ語を取っています。
少人数制
毎年10名前後がM1として入ってくるような、かなり少人数制の修士プログラムです。
ちなみに、日本人はその中に1名いるかいないかというような印象です。
私の年では、10名中半分くらいがフランス人、残りが留学生。留学生の中でも、半分は高校もLicence(学士)もフランスでした学生、残りの半分が私のような修士からフランスに来た学生でした。
修士の内容もあって、フランス人の学生もみな英語を話せます。
難しさ
入学前は、授業ついていけるかな・・・と不安だったのですが、個人的に、とりあえず一年目は余裕でした。(二学期目の半分はオンラインだったので通常とは違う形でしたが)
日本で学士をした時よりはしっかり勉強しましたが、ちゃんと真面目に授業聞いて、試験勉強すれば単位をとれます。
逆にいえば、授業をサボったり、課題の資料を読まなかったり、先生の話を聞いていなかったり、先生との相性が悪ければ、フランス人の生徒でも単位はとれていませんでした。
評価方法
先ほど、分かりやすいように”単位を取る”と表現しましたが、フランスの大学では、単位というよりは各教科20点満点で評価を受けます。
評価の基準はもちろん先生によって異なりますが、大体は期末試験の点数、または中間試験と期末試験の点数の平均での評価がほとんどです。
日本の大学のように出席を取ることもないので、出席点や平常点は考慮されません。
そして20点満点の10点が合格点です。
まず10点を超えていれば、rattrapage (追試)の心配はありません。
もし合格点以下を取った場合Compensation(埋め合わせ)の結果によっては追試を免れます。
進路
M2のあとは就職する生徒が多いです。
私自身、卒業後はドイツの日系企業で就職先を探す予定です。
多文化多言語の勉強をしているので、コミュニケーション部門で就職先を探します。
周りのクラスメートも、ARTEなどの多国籍企業でインターンをしている人が多いです。
進学の際、実はMaster Sciences du langageと迷ったのですが、ヨーロッパでは大学の専攻と就職先の仕事内容と直結している必要があるので、言語学専攻ですと就職は言語教育系に絞られると思います。
私は将来メーカー業界に就職したいので、こちらのマスターのほうが、内容が一般的で就職には有利と思い選びました。
まとめ
ストラスブール大学のMaster Plurilinguisme et interculturalitéについて、でした。
少人数制ですが、だからこそ教授との距離が近かったり、クラスメートとより密になったり、なにより生徒が少ない分しっかり勉強しなければならないので、学びが多いです。
PS. この投稿を見る人の人数はとっても限られていると思います。(なんせ毎年日本人1人いるかいないかなので)
ですが、せっかく経験したことなので、誰かにお伝え出来たらなぁと思い書いております。
なにかご質問あればご連絡お待ちしています。
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